ミシェル・ウエルベックにはまっている

 

地図と領土 (ちくま文庫)

地図と領土 (ちくま文庫)

 

『服従』を去年の秋頃、翻訳版が出たときに読み、その直後に『素粒子』を読んだのだが、この1週間で『プラットフォーム』『ある島の可能性』『地図と領土』を遡って一気読みした。(『闘争領域の拡大』は絶版になっていて、Amazonでも9,000円以上の値が付いているので一旦スルー。近いうちに文庫版が出るだろうから)

『服従』はかなり面白かったんだけど『素粒子』は読むのが結構きつかった、というのも、『服従』一冊読んだだけでわかるウエルベック的な文体とか、登場人物や三人称視点の考え方の癖、などの濃度が濃すぎ、粘度が強すぎて、あまり夢中になってページを繰り続けられる感じではなかった。

素粒子を読んでいる途中に、西新宿のブックファーストで『地図と領土』のハードカバーを見かけたので買っておいたのだが、素粒子読了後は手をつける気にならず積んだままになっていた。読む本がなくなったのでぱらぱら読み始めてみると、これがかなり面白く、結果的にウエルベックで一番好きな小説になった。

『地図と領土』はポップだし、ストーリーの起伏も(かなりあざといくらい)乱高下して目が離せない感じになってる。作中に出てくる「シンプルな職業シリーズ」という絵画の発想も面白いし(「ビル・ゲイツスティーブ・ジョブズ情報科学の未来を語り合う」「ダミアン・ハーストとジェフ・クーンズ、アート市場を分け合う」とか)

人にすすめるときは『地図と領土』にしよう。