ベガスでロシア人を撃つな

(私家版)成功するスタートアップの特徴

スタートアップとは、一言でいうなら、創業から2年~10年以内にホッケースティック型の急成長を遂げる会社のことだ。
 
その認識のもと、世の中にあまたあるスタートアップを効率的にスクリーニングするならば、まずはビジネスモデルと戦略を見るべきだ(昨今の資本市場環境では、調達額による判断は頼りない)。費用と収益が比例する労働集約型のビジネスモデルではなく、初期投資の何倍もの回収が可能な資本集約型のビジネスモデルを志向する企業が望ましい。
 
ホッケースティック型で資本集約型の急成長するビジネスモデルは、おおよそ以下のいくつかまたは全ての特徴を有することが多いようだ。
・競争環境が固まっていない市場を対象とする
    →現時点で競合がいないか、独占・寡占するプレイヤーがいない業界
・プラットフォーム型の製品である
    →顧客またはデータなどの重要リソース先制がKSFとなる
・既存のバリューチェーンやソリューションを再構築または脱構築する
    →いわゆるデコンストラクションや、アンバンドリングのフレームワークで理解できる
 
戦略を達成し、つまりホッケースティック型の曲線を描いて資本集約型のビジネスモデルを構築しきった企業は、スタートアップを卒業してメガベンチャー(何だこの言葉)となった企業だ。
そういった企業は、成熟したプロの人材、つまりカオスを生み出し創造するのではなく、混乱をマネージできる人を求めるようになる。
 
もちろん、ビジネスモデルと戦略は必要条件でしかなく、その実行においてヒト、つまり創業メンバーの性質が十分条件にならざるをえない。結局のところスタートアップが世界を変えるのに巨額の投資や既存のチャネルは必須ではないわけだし、製品も誰でも真似できるものだから、成功確度については、事業を実行していくヒトで見るしかない。僕の洞察によると、成功するスタートアップの創業者(+主要メンバー)は合理的で、アウトサイダーで、子どもじみた行動を取る傾向がある。(もちろん、成功しない詐欺師にも共通する点に留意。)
 
具体的なシグナルとしては、以下の特徴が有用だ。
  • ありえないほど早口
  • 自身の信念や思いを長文のメール、メッセンジャー、ブログで綴る
  • リバタリアンかつネオリベで、資本主義や効率的市場仮説を無謬的に信じている
  • 数学が得意
  • 巨大な数同士の四則演算が異常に早い
  • 北陸または九州出身、あるいは幼少期を発展途上国で過ごしている
  • 学生時代にアート、音楽、哲学、文学のいずれかまたは全てにはまっていた
  • 潔癖症的に効率にこだわるが、部屋は汚い
  • 学生時代にスポーツをしていたが、プロスポーツ観戦には興味がない
  • 幼さの残る顔立ちだが、目元が怖い