ベガスでロシア人を撃つな

いろいろな儲けの"流派"に触れたい

ファンタの変顔ボトルとか、ちょっと前のコカコーラのリボンラベルとか、どうやって企画通してるんだろう、イメージが沸かない。販売点数とか認知率がこれだけ上がる、とかをロジックで示せないだろう。定量的にロジックで示せないものを会議で通すのはかなり労力・時間がかかるか、無理だろう。マーケティングの専門の人に会ったら聞いてみたい質問のひとつだ。
 
認知率がこれだけ上がるとこれだけ売り上げに跳ねる、とかはロジック立てられるが、そもそも変顔ボトルでどれだけ認知が上がるのか? たてピースボトルより何故良いのか? をレンジ取ってでさえロジック立てられないでしょ、という話。ロジックアプローチはおおよそ極めたので次はその手の感性アプローチをやってみたい。たぶん感性アプローチも何かしら型があるだろうから身につけてみたい。
 
多分いくつも経験積むと引き出しが増えてきて、過去の成功パターンの加減乗除で企画を立てて、その他同じ条件なのでこれだけの認知に跳ねます、みたいな説明なのかな。僕もビジネスモデルとか収益構造とかの話だとだいぶ引き出しがたまってるので、儲かってるビジネスを見ると直感的に収益構造の仮説が立ち、総キャッシュフローのグラフが頭に浮かぶようになったのだが、それと似たような感じであればイメージできる。プロダクトと顧客とバリューチェーンがそれぞれ断片的にでも分かると、ある程度一瞬でDCFのイメージが浮かぶというか、そういう感じ。
 
その文脈でいうと、商売とはつまるところリカーリングの仕組み作りなのかもしれない。いくら単価が高かったり市場ボリュームが広かったりでも、既存顧客からの収益がリカーリングしない構造だと結局は儲からない。
 
例えばRIZAPは、中計で自社のコアターゲットを「自己実現市場」だと謳っている。ダイエット、英語、ゴルフなど、「できるようになったらいいな」レベルの欲求、マズローのさきっちょを狙っているとのこと。僕は語学教材の営業をしていたので体感的によく分かるが、英語市場の構造は、例えば喫緊の用事があるコア層と、その外側の「英語できるようになったらいいな」のふんわり層が存在し、内側は競争が激しく固定的で参入しづらく、外側は見た目のボリュームほど儲からない。これは、そもそも大半の日本人には本質的に英語が不要であることの証左といえるのだが。
 
日常生活レベルでは外側のふんわり層を頻繁に目にするので、大企業の新規事業担当者の目線では何か勝機がありそうだと思って始めてしまうが(実際参入障壁も低いし)、実際にはふんわり層は喫緊の用事がないので、あまり金を払ってくれないしリピートもしないのである。これが「自己実現市場」の儲からないハリボテ構造のからくりであると見ている。
 
それでいうとマッチングアプリとかも、継続課金プロダクトという観点で見ると超高単価なのだが、モテる人やモテない人は超短期間で退出していくので収益リカーリングしない上に、CACが継続的かつ莫大にかかるのでDCFは小さいイメージを持っている。
 
逆にコンサルティングみたいな常にカスタマイズのオーダーメイド商材は、アウトプット自体は一点物だけど、その一点物を生産する仕組みを再生産できるので、RIZAPやマッチングアプリよりはDCFがマシなイメージもわいてくる。自己実現欲求や結婚願望は、一度叶うか諦めるかすると再生産されないのだ。
 
話がどんどんそれていったが、つまるところ、自分が知っている以外のビジネスの"流派"にたくさん触れて引き出し増やしたい、というのが今のキャリア的な希望、ということだ。