ベガスでロシア人を撃つな

チームメンバーのパフォーマンスが期待外れな時の基本アプローチ

問題設定はタイトルの通り。
 
メンバーのスキルが低かろうが、モチベーションが低かろうが、人格に問題があってもう手遅れであろうが、基本的にチームのアウトプットはマネジャーが担保しなければならない。
 
タイトルのような事が起きた時、マネジャーが取りうるアプローチは ①コーチング、②アサインチェンジ、のふたつしかない。
 
まずはコーチング、つまり2~3日の間、アウトプットの作成方法からコミュニケーションのとり方まで一挙手一投足について細かく背景説明を重ね、ロールプレイングし、マイクロモニタリングして学習→試行→改善のサイクルが回せる人かどうか確認する。ハードスキル的な内容であれば実際にやってみてもらって口頭でフィードバックし、マインドセット・姿勢的な内容であれば、やり方を変えたことが他人の目から見て明らかにわかるように大げさに振る舞うことを約束してもらう。
 
ここで、一部の人類は、この自己改善サイクルが回せないことに気づく。もっぱら生活のためだけに働いており、休みがちで、また往々にして年を取りすぎてしまった人類は、あらゆる言い訳を並べ立てて自分を変えることを拒否する。
一方で他の人類、モチベーションが高く、また往々にして若く、しかし偏った経験を積んでしまっていただけの人類であれば、この正しい改善サイクルを回して、あとは自分で正しい方向に成長していく事が多い。
 
マネジャーとの相性もあるので絶対に改善しないタイプの人かどうかはこの時点では分からない。確率的には、本人に落ち度がなくマネジャーとの相性だけが問題である可能性は5%くらいなので、次のプロジェクトのマネジャーには必ず状況をシェアしておくべきだ。
 
コーチングを2~3日やってみて改善しなければ、その人はもうプロジェクト期間中には改善しない。その場合は、アサインチェンジを試みる。つまり、役割を変えるか、担当タスクを変えるか、タスクの担当工程(調査のみ、ドラフトをスライドに落とすのみ 等)を変えるかをしなければならない。大抵は、(マネジャーが完璧主義でない限り)アサインチェンジをすれば、一旦解決の目処はついてくる。
 
一方、何をどう働きかけてもコミュニケーションコストがアウトプットを上回る人がいる。誰もがビジネスパソン人生で一人か二人は顔が浮かぶ、あの面倒くさくて関わりたくない奴のことだ(あるいは嫌な思い出すぎて記憶が削除されているかもしれない)。この手の人の場合、マネジャーは諦めるしかない。そのケースであれば、プロジェクト・マネジメントの問題ではなく、経営課題だ。上に適切にフィードバックを上げて変えてもらうか、それが不可であれば、基本的に無視するしかない(そしてプロジェクトが終わった後にリリースする)。