コンサルの仕事の仕方(最初の1ヶ月編)
20代中盤にコンサルファームに中途入社してから最初の1ヶ月に上司に言われたこと、学んだことのメモ。
一緒に仕事する若手にも同じことを伝えている。コンサルトして見習いレベル(球拾い)からプレイヤーレベル(二軍選手)に移行するための判定基準、もしくはホワイトカラーの基本所作と言えるものだと思う。
■基本的な考え方
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上司を楽にすることが部下に求められる動き方。上司が全く手を動かさない、口を開かない、パソコンを立ち上げすらしない状態があるべき姿。上司のやることをなくせば、あなたが上司に昇進する。
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楽をしない。上司・お客さんより努力する。
- 仕事が終わった後に何も考えられないくらい頭が疲れていなかったら、その日は考えることをサボった証拠。
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コンサルが30分座っていたら、何かしらのアウトプットを出さなければならない
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考えることは書くことである。どんなことでも手を動かし、紙に落とす。手を動かすことで/紙に落とすことで、何がわからないか/足りないか、何をすべきかが見えてくる。
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初めての顧客、初めての上司と仕事するときは、最初の2週間はプライベートなしで頑張って信頼の貯金を作る。信頼の貯金があれば、細かいチェックが入らなくなるし、労働時間もセーブできるし、何よりプロジェクトが炎上しない。
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まずはコンサルタントの価値観と手の動かし方を身につける。上司や先輩を徹底的に観察して、何も考えず、まずは一挙手一投足を完コピしてみるとよい。
■仕事の受け方
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仕事を受けたらまず最初にすべきことは、Dueの確認と、アウトプットイメージの確認。
- 「いつまでに」「どうやって」を決めるのは上司の仕事だが、上司はあなたが自分の代わりに考えて決めてくれることを期待している。
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特にアウトプットイメージは、依頼者の頭のなかで描いているものと、実際言葉に出てくるものが異なることが多いので必ず確認する。(たとえ優秀な人であってもそうだと想定するべき。単純作業でないタスクの依頼に対し「承知しました」の一言で返す人は仕事ができない人、とみんな知っている。)
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アウトプットイメージの確認のために、Quick&Dirty でラピッド・プロトタイピングする。できれば仕事を受けたその場で、ノートやホワイトボードを使ってすり合わせをするのがベスト。
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たとえあなたが優秀であっても、最終OKまでに最低3回は修正が発生すると思ったほうがよい。
■作業の仕方
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どんな作業も仮説から入る。仮説とは、「仮にこうだとしたら、これこれはどうなるか?次は何をすべきか?」という考え方。
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スライドを作ったら、必ずその1枚から示唆出しを行う。「示唆」とは、ファクトに基づき、ファクトを収集・分析した自分だからこそ言えること。
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よいアウトプットが生まれないときは、プロセス(論理構成)ではなくインプットを疑う(ガーベッジイン・ガーベッジアウト)
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資料を作ったら、説明に困る部分がないか自己確認する
■報告の仕方
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一度自分なりに作りきり、見直し、もっと良くする方法を15分考えて、思いつかなければ提出する
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作業期限(or論理的に判明する納期)に対して、早く提出しすぎない。(早すぎる提出は必要な品質に届いていない証拠なので、上司のフォロー負荷が増える)
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とにかく一言で言い切る。「仮にこうだとしたら」という前提でポジションを取る。コンサルタントが口に出す言葉はスタンスを張ったものでなければならない。
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自分の成果物や発言の全てに理由を説明できるようにする。説明できないものは作らない・言わない。具体的には、「具体的には?」と聞かれて「これと、これと、これです」と内訳を答えられればよい。