最近読んで面白かった本
ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)
- 作者: 楠木建
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2010/04/23
- メディア: 単行本
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ポーターの言うところの「テイラードなバリュー・チェーン」の概念を、わかりやすく噛み砕いて直感的にしたお話。あるいはたのしく充実した仕事ライフを送るための判断基準に関する理論書。
迷惑メールを送っているのは誰か。人の注目を搾取する。SPAMだけではなくSEO、ネット広告、CAPTCHAなどの人間vs機械の騙し合い稼業に従事している人が読むとわくわくする本。同時に憂鬱にもなる。曰く、「この気の毒な人々の仕事(SEO用の記事を書く人やCAPTCHAを入力する人)は、通常のデータ入力の仕事さえ、これと比べればきわめて快適にみえるほどで、賃金は基本的に人間であること、つまり理論的には人間であることを明らかにすることに対して支払われている」。文章は非常に硬く、研究論文的。
おじいさんは何度も同じ話を繰り返す。
サッカー右翼 サッカー左翼 監督の哲学で読み解く右派と左派のサッカー思想史
- 作者: 西部謙司
- 出版社/メーカー: カンゼン
- 発売日: 2015/12/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「ストーリーとしての競争戦略」にも似ている。クロップの意図的にカオスを生み出すナラティブ・ストーリーに、ヴェンゲルの同族企業的経営をサッカーの戦術に持ち込むナラティブ・ストーリー。まあ後者は、まだ競争的だとは検証されていないが。
これも個人の夢想やお話をビッグ・ビジネスに変えた男の話。まったく戦略的だとは言い難いが、外れ値的な成功をおさめる人間はだいだいこうだ、という経験的事実が俺の中で集まりつつある。