「カジュアル面談」は普通に面接である件
久々に代々木のアブラ学会に来た。並盛り。真ん中の席に座ろうとしたら、奥から座ってくださいと言われたので、おとなしく一番奥の狭い席に行った。他に客はいなかったのに。
面接の後だったので、態度のでかいやつに見られないように行動しようとする神経が過敏になっていたようだ。
夜は面接。というかいわゆるカジュアル面談だったのだけど、まあ実際もろに面接だった。
採用担当だった身として、いわゆるダイレクトリクルーティング(人材紹介会社を通さず、直接人材データベースにアクセスしてスカウトする採用のやり方)における「カジュアル面談」というのは応募者から見てなかなか位置づけがわかりにくいステップだと思う。
採用する側から声がけするのでもちろん最初は「まずは会社説明として話を聞きに来ませんか?」みたいな下手に出るスタンスにならざるをえないのだけど、企業としてリソースを使って行うからには(データベース利用料、採用担当者の人件費と選考にもコストがかかる。当たり前だが)、企業としては当然選考している。応募者の話をがっつり聞かなくとも、受け答えや質問の鋭さからある程度能力を判定できるし、雑談だけでも人物面の判定は十分に行える。採用面接というのは仮説の検証なので、別にこの段階で十分に判断をしなくてもよく、とりあえず次のステップに進ませても問題ないと判断できればそれでオッケーである。
実際のところ、採用したいと思うような人材は、初めから企業側の意図など十全に承知しているので、あえて「面談」とパッケージすることに意味があるのか疑問ではある(新卒採用でありがちな欺瞞を中途採用に持ち込んだだけじゃないか?)。正直に「会社説明+選考」と言ってしまって別にいいんじゃないか。その時点で応募意志が固くない人にアプローチする手法という前提だが、応募者側も別に興味のない企業に落とされたからといって別になんでもないだろう(いちいちショックを受ける人もいるのだろうか?)。
とりあえず今日はこんな感じ。
ミシェル・ウエルベックにはまっている
『服従』を去年の秋頃、翻訳版が出たときに読み、その直後に『素粒子』を読んだのだが、この1週間で『プラットフォーム』『ある島の可能性』『地図と領土』を遡って一気読みした。(『闘争領域の拡大』は絶版になっていて、Amazonでも9,000円以上の値が付いているので一旦スルー。近いうちに文庫版が出るだろうから)
『服従』はかなり面白かったんだけど『素粒子』は読むのが結構きつかった、というのも、『服従』一冊読んだだけでわかるウエルベック的な文体とか、登場人物や三人称視点の考え方の癖、などの濃度が濃すぎ、粘度が強すぎて、あまり夢中になってページを繰り続けられる感じではなかった。
素粒子を読んでいる途中に、西新宿のブックファーストで『地図と領土』のハードカバーを見かけたので買っておいたのだが、素粒子読了後は手をつける気にならず積んだままになっていた。読む本がなくなったのでぱらぱら読み始めてみると、これがかなり面白く、結果的にウエルベックで一番好きな小説になった。
『地図と領土』はポップだし、ストーリーの起伏も(かなりあざといくらい)乱高下して目が離せない感じになってる。作中に出てくる「シンプルな職業シリーズ」という絵画の発想も面白いし(「ビル・ゲイツとスティーブ・ジョブズ、情報科学の未来を語り合う」「ダミアン・ハーストとジェフ・クーンズ、アート市場を分け合う」とか)
人にすすめるときは『地図と領土』にしよう。
日記2016/04/27
引っ越し屋が部屋の電灯を運んでくれなかったので(僕がいちいち指示をしなかったという理由で運んでくれなかった)、リビングの照明をホームセンターに買いに行った。
いろいろ選んでいるうちに、電灯から放たれた光が空間のどの程度の範囲まで照らすのか、要するにどの大きさの部屋までならまともな明かりとして機能するのかを指し示す「全光束」という概念が存在するらしいことを学んだ。全光束は「ルーメン(lm)」という単位で示され、今まで生きてきて一回も気づかなかったのが不思議だが、あらゆる電球や蛍光灯の箱に必ず記載されているものだ。
大体6畳のワンルームだと2700~3700ルーメンが適切で、12畳(1LDKのリビングくらい)だと4500~5000ルーメンほど必要なようだ。(参考)
以前の部屋は7畳くらいの1Kの部屋だったのだが、イケアで買ったやや洒落た電球の明るさがいまいちで、部屋の天井の中央に取り付けているにもかかわらず間接照明のような様相を呈していた。
一人住まいだったのでまあいいかと思いつつ、北欧で作られてるからこの程度の明るさ(=暗さ)なのであり、スウェーデン人の網膜にはちょうどいいのだろうと考えていた。あらためて箱を見てみると、この電球はわずか400ルーメンしかないらしく、はっきりいって玄関かトイレくらいしか満足に照らせない代物だということがはじめて分かった。ワンルームの天井に取り付けたところで暗すぎるのは当然で、スカンジナビアの日光環境ですらどう考えても不十分、洞窟か下水道であればありがたい程度のものだったらしい。
とりあえず今回は、引越し先の正確な広さはわからなかったものの12畳はあるので、シーリングライト(丸い蛍光灯にカバーがついてるようなやつ)を買った。
12畳用は想像してたよりめちゃくちゃ高かったので(ありものの電球に、ソケットとしゃれたカバーで3,000円くらいかなと元々想定してた)、いちかばちかで4,000ルーメン(箱には最大8畳とある)のものを買った。取り付けてみると実際十分な明るさだったのでまあ、よかったかなあ。
日記2016/04/25
一日中引っ越しをしていた。
日記2016/04/23
今日は引っ越しのために南砂町のニトリにいろいろ買い物に行った。
ダブルベッドを買うのでそのフレームが第一目的。シングルだとパイプフレームで1万円以下がニトリだと普通なのだが、ダブルだと相当相場が高くなる。最安で18,000円からあったが、人気なようで入荷待ちだった。まあニトリの客層からしてそうだろう。
他は3万円以上が基本で、その中でシンプルなデザインのものを購入した。ちょっと作りがヤワな感じで、ベッドの背もたれ(?)の部分に寄りかかって読書とかしてるとバキッといきそうな感じ。
他には二人用のダイニングテーブル(ここで食事だけでなくMacBook Airをカタカタやったりしたい)、縦40x横100くらいの細長いデスク(ベッドルームの書斎として使いたい。引越し先のベッドルーム、1LDKの ”1” に当たる部屋は、窓の外に木が張り出していて、かつ表通りにも面していなくて非常に集中して作業できそうなロケーションだ)、キッチンの冷蔵庫横のスペースに置く食器棚などを購入した。
ニトリに行くために行った南砂町は非常に住みやすそうな街で、将来引っ越したいと思った。道も広く、団地だらけで地元の田舎に似ている。治安も別に悪くなさそうだ。
ところで、僕はあまり「治安」というものを気にしないというか、住む場所を決めるための判断基準の優先順位上位に置かないタイプだ。
学生のころバックパッカーで東南アジア、ヨーロッパ、中東の「治安が悪い」とされる地域を歩きまわったり寝泊まりしたりした経験が影響しているのだと思われるが、それ以外にも、危ない目にあったら常に持ってる携帯で警察呼べばいいじゃんという考えがあるということもある。
あとは、なんというか科学的でないというか、つまり「治安が悪い街での死亡率」より、自動車にひかれる確率とか、親兄弟に恨まれて殺される確率のほうが統計的には高いんじゃないかという認識も影響していると思う。