最近読んで面白かった本
ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)
- 作者: 楠木建
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2010/04/23
- メディア: 単行本
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ポーターの言うところの「テイラードなバリュー・チェーン」の概念を、わかりやすく噛み砕いて直感的にしたお話。あるいはたのしく充実した仕事ライフを送るための判断基準に関する理論書。
迷惑メールを送っているのは誰か。人の注目を搾取する。SPAMだけではなくSEO、ネット広告、CAPTCHAなどの人間vs機械の騙し合い稼業に従事している人が読むとわくわくする本。同時に憂鬱にもなる。曰く、「この気の毒な人々の仕事(SEO用の記事を書く人やCAPTCHAを入力する人)は、通常のデータ入力の仕事さえ、これと比べればきわめて快適にみえるほどで、賃金は基本的に人間であること、つまり理論的には人間であることを明らかにすることに対して支払われている」。文章は非常に硬く、研究論文的。
おじいさんは何度も同じ話を繰り返す。
サッカー右翼 サッカー左翼 監督の哲学で読み解く右派と左派のサッカー思想史
- 作者: 西部謙司
- 出版社/メーカー: カンゼン
- 発売日: 2015/12/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「ストーリーとしての競争戦略」にも似ている。クロップの意図的にカオスを生み出すナラティブ・ストーリーに、ヴェンゲルの同族企業的経営をサッカーの戦術に持ち込むナラティブ・ストーリー。まあ後者は、まだ競争的だとは検証されていないが。
これも個人の夢想やお話をビッグ・ビジネスに変えた男の話。まったく戦略的だとは言い難いが、外れ値的な成功をおさめる人間はだいだいこうだ、という経験的事実が俺の中で集まりつつある。
日光に行ってきた
ちょうど紅葉の時期だったのでとても良かった。気候はやや涼しく、とくに午前中は日差しがとても強かった。浅草駅から電車一本で2時間くらい?だったと思う。東武日光駅を降りて、正面出口の真向かいの山々からそそぐ日光が強く目を刺したのを、行ったのはもう1ヶ月くらい前になるのだがよく覚えている。
写真だといまいち。もしくは俺の記憶が嘘。iPhoneで撮影
日光が観光地化したのは鎌倉時代のこと。形のよい山が多かったことから権現を祀る場所として使用されたようだ。この「権現」というのは、「神」が地上に降りてくる際の仮(=権)の姿である、とのこと。これが神道や山岳信仰と結びつき、日本各地の神社や山に割り当てられた。要するにアバターを使った陣取り遊びである。
その後、家康&家光の廟地となったことで観光地としてのロジカルな正当性が確立され、少なくとも今後数百年の観光マネー流入を確保することとなったようだ。じっさい、明治期には海外からの観光客が増え、イタリア大使館の別荘も設けられるなど、国際的な観光地と化した。
観光エリアには大きな道路が数本通っており、くまなく路線バスが走るので、観光ルートは定型化されている。僕も大勢の来客の後をついて、東武日光駅前の乗り場からひとまずバスに乗った。
48回のカーブを曲がりながら登る「いろは坂」を経由し、ひどい渋滞のため10km程度を2時間近くかけて「華厳の滝」に到着した。
地面の下から雲が出てきた。
華厳(けごん)の滝は日光随一の景勝地であると同時に自殺の名所としても知られている。漱石の生徒の自殺が全国的に報道されたことがきっかけとなったもので、「猫である」など複数作品中で言及されている。
言われてみれば確かに死の匂いがする滝のふもと。
よい滝だった。
その後中禅寺湖へと徒歩で移動。水とても澄んでてきれい。
同行者が体調を崩したため予定を繰り上げて帰りたかったのだが、もったいないということで東照宮へも一応行ってみた。
入館に2000円くらい?支払う必要ありとのことで、中には入らずその場で「見猿聞か猿」をGoogle画像検索して閲覧し満足を得、帰路についた。
孫子とクラウゼヴィッツ
- 作者: マイケル・I・ハンデル,杉之尾宜生,西田陽一
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2012/09/21
- メディア: 単行本
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とても面白かった。ミンツバーグとか創発戦略論と併せ読むと、おもしろい書き物が作れそう。
孫武とクラウゼヴィッツは、基本的な方法論的仮定(見解)として次のことには互いに同意するであろう。戦争とは科学ではなく術(アート)であり、軍はそれぞれが採用可能な複数の行動方針を各種の状況において持っており、多くの軍事的指導者の想像力と創造力、そして直感力から解決方法が導き出されてくるものである(唯一最善の行動方針があるとするものではない)。
鎌倉旅行
先々週くらいだけど鎌倉に行ってきた。もう8回くらい行ってる。バイトもせず授業にも行ってなかった学生の頃、多分あれは3年前の初冬、急に思い立って由比ヶ浜に行き2時間くらいテトラポットの上に座ってボーっと海を眺め、釣りしてるジジイとなんか会話して帰った記憶がある。