ベガスでロシア人を撃つな

(執筆中)SFを土台にシリアスな笑いと行動力に関する批判をテーマとする題名未定の小説

    それはいまだに素晴らしい眺めだった。皇居が銀色の炎をまとって静かに燃え続けている、もう半年も。
    敷地を囲む水面に、屈折した炎の青白いオーラがきらびやかに写っている。連中が立ち去ったあと、僕の胸には同じように淡く輝く思い出が残されたのだった。
 
    連中が、そのサソリ型のエイリアンたちがはじめて人類の前に姿を現した時、そのあまりに陳腐な姿に、誰もが落胆したものだった。『第9地区』を撮影したニール・プロムカンプは「科学は想像力の下位概念だった」と言い放ってメガホンを投げ打ち、リドリー・スコットお笑い番組のゲストに頻繁に呼ばれるようになった。
    ただ、すぐに ーー 彼らが地球に降り立ってほんの2、3日で ーー 判明したのは、そのサソリ型エイリアンどもの時間概念の驚異的なスピード感だった。彼らの種族がアルファケンタウリE63系のハビタブル・ゾーンでその直系の祖先となるロブスター型非知的生命体から進化の枝分かれを果たして誕生したのは、我々人類の暦上では、なんと1997年のことだった。1999年7月には彼らの暦はA.D.101年に達しており、今まさに預言者がヤギの背中に跨って(連中にとっての)エルサレムに入城せんとするところだった。地球のマーク・ザッカーバーグがハーバードの学生寮で「フェイスマッシュ」を立ち上げた頃には、彼らの星ではすでに恋愛マッチングアプリの流行が一段落しており、2011年3月には彼らのカレンダーは24つ目の千年紀の最初のお正月を迎えていた。彼らの科学技術の発達スピードはもちろん、シリコンバレーのスタートアップも真っ青のホッケースティック曲線を描いており、2006年12月18日にはすでに構造的な原子力エネルギー抽出技術が実用化されており、悲劇的な事故によって3度ほどその技術を打ち捨てた挙句、彼らが地球に立ち寄った2017年6月(グレゴリウス暦で)時点では4度目の原子力ブームに湧いていた。
    これまたあまりに陳腐な話で、地球上のすべての人を落胆させたのだが、彼らの侵略の目的は地球資源の略奪にあった。彼らが地球に滞在していたのはわずか2ヶ月ほどであったが、地球側のG8はその異星の科学技術を見るにつけ、(彼らに可能な限りのASAPで)地球のウラン採掘権をどの程度異星人たちに与えるのが良いかスイスの湖畔で話し合おうとしていたのだが、最後にレマン湖に到着した日本の首相が会議室に入るまでに彼らの長官は18度も交代し、船内派閥は集合離散を繰り返して原型を留めず、それどころかすでに3世代ほどの世代交代が完了していた(初めて地球人と相対し、その綺麗なカナダ英語で人びとを驚かせたあのエイリアンは、仲間から老害呼ばわりされていた)。第一言語は6回代わり、9回の憲法改正を経て彼らの人権(エイリアン権と言うべきではない)を支える論理はみるみるうちに瓦解していき、そのたびに紛争を繰り返すので船内の人口はあっという間に半減していた。じきに日本の首相が別荘のロッキンチェアに腰掛け、G8の他の首脳たちが見守る中、日本人同士でしか通じないクレオール語のように奇妙な英語で挨拶をしつつ傍らに侍る日系アメリカ人の通訳がその文頭から訳し始めようとしたその瞬間、連中の母星でメタ・ハイファイ・ガス発電なる再生可能エネルギー創出スキームが発明された。一報を耳にし、もはやウランごときになんら魅力を抱く理由を失った彼らは、進行中の船内内戦の講和条約を手早く締結し、そそくさと生まれた星に帰っていってしまった。
 
    これは喪失の物語だ。誰にでもあるお別れの話。ただあまりにスピーディーなエイリアンの登場だけが例外で、他の部分はよくある成長物語。未熟な少年がうら若き少女と出会い、離別し、大人になって再会するが、決して結ばれはしない、そんなありふれたエピソード。
 
    2017年の夏だった。アイスクリームが宇宙人の額に垂れた。核はいつも通り使用されなかった。人類は核を使うことが出来ない。いくつかの例外を除いては。
 
(執筆中)

2月・3月の活動報告

2月の活動報告(日記)を早速書くのを忘れていた。1月から始めたのに。
とはいえ、仕事ばかりしていたので特に書いておくことも無いような気がする。問題は、日々の記憶がほとんどないというところ。カレンダーを見返してみてもほとんど記憶に残る出来事が思いつかない。
要因は、仕事ばかりしていることと、花粉がつらすぎることと、帰ったら帰ったでずっと酒を飲んでいること。人生が薄まっている。

もう4月に入ってしまったが、いくつか書き留めておく。

仕事面でいえば、同じ案件で働いている先輩のこと。

今入っている案件は2年近く継続して続いていて、僕は昨年7月から参画している。次の契約を全うすると1年もこの会社の案件にいることになる。そのうち半分くらいは新規事業の企画立案。もう半分は経営戦略と経営計画の策定というテーマで、筋の良い仕事ができていると思っている。この1年でだいぶ戦略コンサルの仕事には慣れた。というかかなりスピーディに成長できたおかげで、純粋な戦略作りに関してはもうあまり伸びしろがない状態にあると思う。あくまでデリバリーのプレイヤーとしては、というところだけど。ファイナンスの知識や感覚はまだまだだし、ダークサイドスキルを活かして組織全体をマネージしていくという面ではもちろん伸びしろだらけではある。

ということで、昨年末に転職してきた先輩が同じ案件にはいったのだが、この人がまあ使えない。転職してきて力が発揮できない辛さ、昔できていたことが出来なくなってしまう感覚というのは、まあ僕も経験したしよく分かるのだが、この人の場合コンサルからの転職だ。仕事内容のギャップはないはずなのに、なぜこれほど仕事が上手くできないのだろう。

まず第一に、基本的な戦略コンサル業務のスキルがないこと。戦略コンサルの基本的な仕事といえばリサーチ(主にGoogle検索で筋の良いファクトを見つける)、Excelでのモデリングパワポの紙書きといったところだが、このどれもが上手くできない。というか、仕事を振られてもずっと巨大な方眼ノートになにかの設計図みたいなのを書いているだけでいつになってもアウトプットが出てこず、結果、遅れて出したアウトプットが的外れならまだいいほうで、上司の指示を紙に落としただけ、つまり自分の理解の記述にしかなっていないことが大半であり、全くもってバリューが出ていない。Dueとアウトプットイメージをちゃんと確認する、とにかく手を動かす、クソでもいいから早くアウトプットを出す、といった新人レベルの動作ができないようだ。昔はできたのかもしれないが。たぶん前職がよほど甘かったのか、業務支援に近い高級人材派遣系の仕事をしてきたのだろう。要するに、今の仕事に対してスキルアンマッチな状態だ。

加えて、自己保身の意識が強く、頻繁に嘘を付くこと。これは、転職してきて信頼が得られていない、仕事ができていないといった心理的状況からきていることかもしれないが、かなり目に余る状況になっている。上司も、クライアントも、社内のメンバーからもそう見做されており、やばい状況だと思う。作業量調整、自宅作業などできることはもちろんやっていて、にもかかわらず(心理的な焦りからか)自分で自分の仕事を増やし、他者には謎の元気アピール&仕事してますアピールを繰り返し、無駄なトランザクションを増やしている。

あとは本来持っている気性なのか、易きに流れる傾向はある。上記の嘘つきというのとつながっているのかもしれないが。コンサルという仕事上、どれだけ疲れていてもプロとして振る舞うというスタンスは要求されるのだが、先輩の場合、上っ面をよく見せておけば中身がカスでもいいという本末転倒なスタンスを持っており、ずっと一緒にいると中身が伴ってないのが分かるので評価が下がるという面がある。そのせいか、表面的なコミュ力というか、話の切り返しや相槌は上手いのだが。

こうして見ると、転職して使えない人になる現象の要因は、技術面、心理面、色々ありつつも、要するにスキルアンマッチであるよるようだ。もちろん本人としては出来ると思って転職するのだろうし、会社側も出来ると思って採用するのだろう。実際には両者の仮説が外れることがあって、それが先輩のような苦境を生み出している。

この先輩をどうすればいいのか誰にも分からない。僕も分からない。


あとは、だいぶ暖かくなってきて、花粉に苦しめられている。
一時期は花粉がきつすぎて、ほとんど全ての時間を鼻をすするか鼻をかむことに費やされ、頭を動かすことも手を動かすこともままならず仕事にならなかった。パブロンを飲むと鼻がすっとするのだが、今度は眠気に襲われて仕事にならないという、地獄のような状態だった。

鼻炎用パブロンが一番効くので重用していたのだが、副作用の眠気がはんぱなく、今年になってからは目を閉じた時に夢?幻覚?のようなものを見るようになっていた。液剤パブロンはトリップ用として依存している人もいるくらいらしく、副作用がかなり強いらしい。薬を変えたら、効き目は弱いがだいぶ楽にはなった。


4月からは、7月までの3ヶ月間のプロジェクトが始まる。といっても3月までの続きであり、タスクレベル的にも進捗的にも問題ないので、かなり楽にはなると思う。GWも早速有給を取った。どこか旅行に行きたい。

1月の活動報告

できれば毎日日記を書きたいところだが、仕事の忙しさ、体力・気力などの点から継続が難しいので、2018年は月毎に日記を書くことにした。(活動報告という形)(誰に?)
 
年末年始はほとんど家にいたが、元旦は都内にある妻の実家で過ごした。年末年始といえば一年を通じてテレビが一番面白くなる時期だが、見たのはガキ、クイズ正解は一年後、あとはあんまり覚えていない。
 
その後、バケーションでハワイへ。ヒルトンのコンドミニアムに泊まり、結婚式をした。妻も僕も形式としての結婚式にあまり興味を持っていなかったが、やってみるとこれはこれで悪くはないという印象だった。
 
サイコパスみたいな文章になってるな。
 
1月のオアフ島は地味に寒くて、あまりビーチやプールには行かなかった。日差しが当たると暖かいけど、日陰や風が吹くと一気に寒くなる感じ。冬にリゾートに行くならもっと赤道に近い地域の方がいいのかもしれない。妻とも毎年どこかしらに海外に行こうと話をした。
 
その後、ロサンゼルスに移動して、妻も僕も大好きなテーマパークめぐりをした。USHollywoodとSix flags。USHollywoodは大阪のUSJに比べるとこじんまりとしていて、面白かったけど、はっきり行ってクオリティは低かった。ハリウッドには森岡さんのような優秀な経営者がいないのだろうと思った。グルーがいきなり一人で歩いていたりして、顧客体験をなんだと思ってるんだという感じ。Six flagsは絶叫アトラクションばかりが並ぶアメリカの富士急みたいなテーマパーク。楽しかったうえに、超ガラガラでどのアトラクションも5分と待たずに乗れるレベルだったけど、逆に連続で絶叫系に乗りすぎて自律神経がイカれた。
 
ロサンゼルスで感動したのは、Uberの使い勝手の良さだ。簡単に車を呼べて、アプリ上のマップで自由に乗車場所・降車場所を指定できて、車を呼んだら数秒以内に配車確定して、料金も渋滞状況に依らず配車時の固定で安い。まさにタクシーの再発明だと感じた。だいたい、時間がかかるとお金がかかるというレガシーなタクシーの仕組みは意味不明じゃない?なんで不便に金を払うシステムになってるんだ。時間短縮のために金を払うのなら理解できるけど。
 
あと、Airbnbで借りたマンションはハリウッドのあたりで、周囲に安いスーパーが無いのは不便だった。基本的にオーガニックスーパーしかなく、割高。ハワイのコストコやドンキで見たような、食べ切れないほどのありえない分量を格安で販売しているスーパーは皆無だった。
 
中旬に帰国してからは、また仕事が始まってしまった。最悪だ。
12月まで新規事業企画をサポートしていたクライアント企業で、経営戦略策定のプロジェクトが始まった。クライアント企業は正直に言って、景気と業界構造に守られて生き延びてきたために経営方針と呼べるものが皆無なのだが、このプロジェクトで3ヶ月で大枠の方針を作りきり、その後、中計を作ることになると思われる。
 
コンサルに転職して1年半、最近思うのは、あるべき戦略の策定自体はあまり苦もなくやれるようになってきた。一定の定石があるので、単に論理的に正しい答えを出すこと自体は、そんなに難しくはない。一方で、あるべき戦略に対し!特に古くて大きい大企業の場合は「そんなことはやれない(やる自信がないという意味だ)」「うちの社員は頑固だから納得しない」「競合が多い」などの理由で難色を示されることがある。はっきり言って、これらの反応はほとんど感情的なところから出てくるものだから、コンサルの仕事も必然的に、クライアントの思いや人間関係を引き出して整理し、落とし所に導く作業が大半になる。ベンチャーであれば社長の「さっさとやれよ」「成果出せよ」の言葉だけで実行に移されるのだが、レガシーな企業では実行までの制約が大きく、実行まで視野に入れた場合の戦略策定パラメータが膨大な数になってしまう。戦略策定がハードスキルだとした場合、これらのソフトスキルは、知識や能力、メンタルモデルのギャップを埋めるものだ。コンサルに客は選べない。正直、もっと優秀で自信を持った人達と働きたいという思いが強まっている。
最近プロジェクトに入った転職組の先輩もパフォーマンスがいまいちで、あまり学ぶところはない。戦略系というよりも、上述のようなレガシー大企業に常駐して社内政治サポートをメインにやっていたような人だ。前々から考えているとおり、このプロジェクトが終わったら転職するつもりで準備していこうと思っているところ。
今の会社でやるべきことはもうあまり残っていない。コンサルスキルについてはまだ向上の余地はもちろんあるが、プレイヤーとしての伸びしろは少なくなってきたように思う。新しい領域の知見はうちの会社の人たちはほぼ持っていない(他社の人に聞くとコンサルは基本そうらしい)ので、自分で勉強するしかない。人格的にも、生き方についても、真似したいと思えるような人はいない。優秀なやつは世の中腐るほどいるので、僕はスピードで差別化したい。残り半年でやるべきことはそこくらいかな。
 
今月は以上
 
 

早く退社したい時にオススメの行動ベスト5

新卒1年目の新入社員も、6ヶ月連続でノルマ120%越えの営業のエースも、脂が乗ったマネージャーも、ファウンダーCEOでさえも、会社で働く者なら誰もが定時を過ぎたら一刻も早く家に帰りたいと思っている。

職場から早く帰りにくい理由は様々ある。転職したばかりでまだ周囲の信頼が得られていない、やる気は無いがやる気が無いと思われたくはない、Excelのショートカットキーが覚えられないからデータ入力のタスクが永久に終わらない、同僚や上司がみな友達も彼女も子供もいないので仕事だけに打ち込むことが暗黙の決まりになっている、などなど。

しかし、そんな障害があっても、以下に示す小さな工夫を実践することで上手に定時上がりを達成することが可能だ。早く自宅に帰って心置きなくネットフリックスを見たりどうぶつの森ポケットキャンプの続きをやることで、ぜひ、本来あるべき充実した人生を取り戻してほしい。

 

■ 5位:「続きは家でやります」と言う
定時を過ぎ、オフィスにややダラけた雰囲気が流れ出したらチャンス。同僚となごやかに談笑しながら、おもむろにラップトップの電源コードをコンセントから引き抜いてACアダプタ本体にくるくる巻き付けつつ、そのままパソコン自体もゆっくりとリュックに仕舞おう(あくまで談笑を楽しむフリをしつつ、ゆっくりと動作を行うのがコツ)。そして、「続きは家で作業します」と言い、間髪入れずに「お先に失礼しまーす」と言い残して素早くオフィスを後にしよう。

同僚たちはあなたの仕事への熱心さに感心し、場所と時間をいとわずに働く成果志向のコンピテンシーにおったまげ、同時にこんな稀代のハードワーカーの猛烈な集中力に水を差すようなダラけた雰囲気を生じさせてしまったことに罪悪感を抱いて、快くあなたを送り出してくれるだろう。

 

■ 4位:ネットワーキングイベントへの参加予定を入れる
もしあなたが「connpass」や「Peatix」、または「everevo」のようなイベント検索アプリに登録していなければ、今すぐ登録して、できるだけくだらないと思われるセミナーを探して参加申し込みをしよう。

早く帰りたい日は、社内のOutlookスケジュールに「BtoBマーケティング担当者のためのデータ・オリエンテッドなコミュニケーション・プロセス設計講座」みたいな件名で予定を作成しておくべきだ。

チームメンバーたちは、先端テクノロジーへのキャッチアップの機会をまめに作るあなたの姿勢に理解を示し(実際は中途半端な業者の中途半端な製品セミナーだとしても)、社外のキーパーソンと積極的に人脈を構築しようとするあなたの外交的な性格に尊敬の念を抱き(実際はネットワーキングタイムで誰にも話しかけることが出来ないのだとしても)(さらにはその参加者達が怪しいマルチビジネスや生命保険の営業マンやどう見ても市場ニーズがあるわけがない意味不明なマッチング・プラットフォームを運営する自称ベンチャーのCOOだらけなのだとしても)、快くあなたを送り出してくれるだろう。

 

■ 3位:普段は着ないような、いい服を着て出社する
何事も準備が大事なので、早く帰りたいならそのための伏線を張ろう。普段は着ないようないい服を着て、もちろんお化粧やヘアメイクもバッチリで出社しておけば、その日の夜にあなたに何か重要な予定があることを朝から十分にアピールしておくことができる。

普段はユニクロジーパンにライトオンで売ってるような緑色のアメリカの大学名のロゴが入ったパーカーを着ているエンジニアも、紺のスラックス(ユニクロで売ってる化学的に温かい素材でOK)にグレーのジャケット(ライトオンで売ってるペラペラの生地でOK)に茶色のビジネスシューズ風の靴(Amazonで買える合皮でOK)を合わせて出社すれば、周囲の同僚はみな、あなたが今夜ついに一歩踏み出すために結婚相談所に行く予定を入れたと思い込み、快くあなたを送り出してくれるだろう。

ただし、転職活動の面接に行くと勘ぐられないように、スーツで出社するのはやめよう(本当は転職活動の面接に行くために定時上がりしたいのだとしても)。

 

■ 2位:周囲より早く出社する。そのことを周囲にアピールする
規定の始業時間が9時であれば、7時半にはデスクにつくようにしよう。

その際、早く出社したことを同僚に十分に周知するために、始業時間前にメールに返信したり、わざわざSlackに投稿したり(スタンプだけだと実施時刻をアピール出来ないため注意)、部署内のGoogleドライブに昨日の会議の議事録をアップしたりするべきだ。

加えて、昼食の時間や、あなたの貴重な寿命を奪う会議の冒頭の下らない雑談タイム(業界ではミーティングジェノサイドと呼ばれる)などのムダな時間に、あなたが毎朝何時に起きているか(なるべく多めに尊敬の念を収集できるよう、Oha4(日テレ)の放送時間内が望ましい)、あるいはそんなに朝早く起きてどんな有意義な活動をしているのか(勉強やヨガなどの自分志向の活動よりも、子供の弁当を作る、地区消防団の清掃活動を手伝っている、などの道徳的に批判しにくい活動が望ましい)を積極的にアピールしよう。

たとえあなたが月曜日から水曜日まで連続で定時後1時間以内に退社したとしても、周囲は快くあなたを送り出してくれるだろう(2018年現在のマネージャー世代が持つ無意識のバイアスを考慮すると、残念ながら、早く退社するのは週3日以内に抑えるのが望ましい)

 

■ 1位:(作成中です。続きは自宅で作業します。お疲れ様でーす)

 

(※実践は自己責任でお願いします。私自身は上記に挙げるような行動は一切取っておらず、昨年の勤務時間は月平均で250時間にのぼるほど勤勉に労働しております)

2017年に読んだ本ベスト5

今年読んだ96冊の中から個人的ベスト5+次点。
初版が今年でない本も含まれます。Amazonアソシエイトのリンク貼ってます。


■ 5位:ヒルビリー・エレジー J.D.ヴァンス (著), 関根 光宏 (翻訳), 山田 文 (翻訳)
ラストベルトの白人貧困層だった著者が地元の人々・環境を振り返るノンフィクション。
ヒルビリーとは、合衆国東北部の田舎者(特にかつて工場労働で生計を立て、製造業の盛衰に生活を左右されてきたスコッツ=アイリッシュ系の人たち)を指す。ヒルビリーの持つ、貧困の連鎖構造を生む特性(現実を見ない、すぐにキレる、何事も継続できない、生活習慣がだらしない、結果すぐに仕事を辞めてしまう)と、彼らにくすぶる苛立ち、浪費することしかできない生活への不安が書かれ、暗い気持ちになる。 

ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち

ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち

 

 


■ 4位:『LIFE SHIFT』 リンダ グラットン (著), アンドリュー スコット (著), 池村 千秋 (翻訳)
統計上、我々の世代の50%は100歳まで生きるので、人生は必然的にマルチステージを推移する。
全力で長生きするとお金も活力も足りなくなるので、時々力を抜くためのストック型資産の形成が必要だが、それには財産だけでなく能力、健康、人脈も含まれる。マクロ環境に恵まれた高度成長期育ちの能天気ジジイ共とは根本的に生存戦略が異なるので、連中の言うことなんて聞いてはいけない。

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

 

 


■ 3位:あなたの人生の物語 テッド・チャン (著), 公手成幸 (翻訳), 浅倉久志 (翻訳), 古沢嘉通 (翻訳), 嶋田洋一 (翻訳)
「メッセージ」の題名で映画化された小説。
外国語を学ぶとその言語の思考法やものの見方がインストールされる経験を外国語学習者はするが、この小説の主人公は、時制を持たない言語を話す宇宙人の言葉を学ぶことで未来を幻視する(頭に浮かぶことが過去/現在/未来の区別がつかない)思考法を得る。
同録の「地獄とは神の不在なり」は、天使の物理的な降臨により災害が発生する世界をテーマにした短編だが、こっちの方はさらに面白い。
天使の出現が自然災害として書かれ、その降臨による地震・火災・地割れで家族を亡くした人々、障害を患った人々が右往左往する。自然の出来事を救いとか罰とかに結び付けるのは人間の側の勝手な考えであって、出来事の主体(我々にとっては自然、一神教徒にとっては神?)としてはどうでもいいことであり、我々の方ではきちんと現実を生きよう、ということだと理解した。僕にとっては宗教、天使降臨、祈りと天罰、アルコールやマリファナによる酩酊、ヒルビリー、高度成長経済、キャリアプラン長時間労働はすべて同じものに思える。

あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)

あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)

 

 


■ 2位:『なぜUSJのジェットコースターは後ろ向きに走ったのか?』 森岡 毅 (著)
元P&Gマーケターの著者による、倒産寸前だったUSJのV字回復の物語。
世界標準の科学的なビジネスのやり方で、根拠のない自己否定の空気が蔓延する会社を変革し、ずば抜けた成果を上げていく。売上高1,000億円に対し500億円を投資してハリポタを建設するために社内を説得して回る覚悟とリスクの計量的な算出、ハリポタのカットオーバーまで予算がない中で食いつなぐため売り上げを作るアイデアを脳が千切れるまで考え抜くシーンは素直に清々しく感動的で、とても映画栄えしそうだと思った。

 


■ 1位:『反脆弱性 ナシーム・ニコラス・タレブ (著), 望月 衛 (監修), 千葉 敏生 (翻訳)
トレーダーとして長年市場を観察し、バブルも金融危機も経験する中で、なぜ金融業界では、高級スーツを着て肩で風を切って歩くような「強い」連中が簡単に吹き飛んでしまうのか? というのが「まぐれ」「ブラックスワン」などの著者の過去作からの主要なテーマだけど、本作では「fragileの反対語が存在しない」ことの発見をきっかけに、脆さと強さと"反脆さ"の違いを考える。
要点は、全体の強さは脆さとイコールであり、全体の反脆さは部分の脆さとイコールだということ。
全体として強い金融業界はふとしたきっかけで簡単に吹き飛ぶ一方、脆いプレイヤーだらけでも「レストラン業界危機」なんて起きない(つまり飲食業界は「反脆い」)。
反脆い生き方とは、例えば会計士と90%結婚してロックスターと10%結婚するようなもの。
一方で、反脆さの性質(ダウンサイドに比べてアップサイドが多い)を悪用する連中には注意が必要。例えば自分の作った薬を飲もうとしない医者、若者に起業を勧める成功者、先進国から来た観光客 etc.

 


■その他次点:
『いたいコンサル すごいコンサル』 長谷部 智也 (著)
金づちの性能は使い手の能力に依存する

いたいコンサル すごいコンサル 究極の参謀を見抜く「10の質問」

 

『世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか』 山口 周 (著)
ロジカルスキルはもはや金づち並みのコモディティである

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 (光文社新書)

 

『会議でスマートに見せる100の方法』 サラ クーパー (著), ビジネスあるある研究会 (翻訳)
ホワイトボードの姑息な使い方集。あるいは、人はなぜ会議に出るのか?

会議でスマートに見せる100の方法

 

『ベストセラー・コード』 ジョディ・アーチャー (著), マシュー・ジョッカーズ (著), 西内啓 (監修), 川添節子 (翻訳)
ベストセラーを予測するAIエンジンによると、女性が才能の出し場を見つける「ガール小説」が今は売れやすいとのこと(ゴーン・ガールガール・オン・ザ・トレインドラゴン・タトゥーの女

ベストセラーコード

 

ザ・サークル デイヴ エガーズ (著), 吉田 恭子 (翻訳)
「ベストセラー・コード」で売れる確率1位と判定された。最先端のテック企業に入社した主人公が承認欲求をエンジンに危険に出世していくガール小説。エマ・ワトソン主演で映画化もされた。

ザ・サークル (上) (ハヤカワ文庫 NV エ 6-1)

ザ・サークル 下 (ハヤカワ文庫 NV エ 6-2)